ローマ帝国アシア属州ス セール ミュルナ造幣所 54年 AE20貨 ネロ アグリッピナ

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図柄表:ネロとアグリッピナ親子r図柄裏:ネメシスr発行地:ローマ帝国アシア属州スミュルナ造幣所r発行年:54〜59年r額 面:AE20r材 質:銅r直 径:20.0mmr重 量:5.98grrネロとアグリッピナという古代ローマ史で最も注目され、映画、書籍、漫画化もされている二人を描いたコイン。rrネロは解放奴隷の女性アクテと恋に落ちた。彼女を皇妃に迎えたいと強く願っていたが、身分が違うという理由で母アグリッピナから猛反対を受けた。アグリッピナは今後交際を続けるなら勘当はもちろんのこと、ネロの義理の弟ブリタンニクスを皇位につけるとまで脅した。こうしてネロは歪みはじめていく。rr母アグリッピナは教育心理上、やってはいけないことをいくつも犯していた。まずは、ネロが皇帝にもなったにもかかわらず、その国政に細かく口を出していたこと。これではネロが自分で考え、成長することができない。また、傷つきやすい青年期の恋を否定したこと、弟と比較しプライドを傷つけたこと等。rr結果、ネロは母アグリッピナ、妻クラウディア・オクタウィア、再婚の妻ポッパエア・サビナ、家庭教師セネカなど自分の身の周りの人々を次々に葬り、最期には自死を選択するという狂人になってしまった。その後、皇帝はガルバ、オト、ウィテリウスと続くが、暗殺によりいずれも短期間の統治で終わった。rrネロの悲しき末路の後、ローマは皇位継承を争う混乱期に入ったが、ネロの親友だったウェスパシアヌスが最終的にこれを収拾し、自らが皇帝を宣言することで国家は落ち着きを見せた。しかしウェスパシアヌスの軍事力による強引な皇帝宣言は、ローマの軍事国家的要素をさらに強めていく引き金にもなった。rrネメシスとは天罰の女神であり、貨幣の上に表現されることは珍しい。主にアシア方面で信仰された地方神であり、ローマ本土のコインではその姿を見せず、共通して東方属州で発行されたコインにのみ表される。外見上はウィクトリアと酷似しているが、属性はかけ離れたものであり、ウィクトリアが人間に対して勝利をもたらす幸運の女神であるのに対し、ネメシスは不道徳な人間に対して容赦なく天罰を下す恐ろしさを持っている。

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